コラム

 公開日: 2016-05-05 

離婚調停における親権と監護権の違い、親権を決める手続きについて

夫婦が離婚を決めた際に、非常に重要な課題となるのが子どもの親権に関わる問題です。
子どもと一緒に生活することが親権と思いがちですが、法律的な用語としてはその要件がさらに細かく分類されます。
親権はどのように決まるのかを含め、親権の実体を紹介していきます。

子どものいる夫婦の場合、親権者が決まらなければ離婚できない

夫婦の関係悪化に伴う離婚は、あくまでも夫婦間での問題であって、両者の話し合いによって結論が出ることが大半です。実際、日本ではこのような協議離婚(夫婦間での話し合いのみで決まる離婚)が9割を占めており、法律的にも世間的な感覚としても、(調停や裁判などの場合を除いて)第三者が立ち入る問題ではないとされています。

しかし、当該夫婦以外にも、当事者となる人がいます。それは、夫婦の子どもです。離婚届の提出においては、子どもの親権者がどちらになるかを明記しなければ受理されません。親権とは、その子が20歳になるまで監督・保護・教育して財産を管理するとともに、代理となって法律行為を行う法定代理人の権利および義務のことを指します。

婚姻期間中は父母双方が共同で親権を担いますが、離婚時にはどちらかが親権を持ち、一緒に生活することを決める必要があるのです。

監護権と財産管理権に分類される、親権の実体

一般的には、親権とは「一緒に暮らす権利」という部分だけに焦点が絞られがちですが、これは親権の一部である「(身上)監護権(親が子どもを監護し教育する権利・義務)」の部分に相当します。法律的には、親権はこの「監護権」と、子どもの財産管理および法律行為の同意権を持つ「財産管理権」に分類されます。

原則的には、親権者が監護権を行使することが望ましいと考えられます。しかし、やむを得ない個々の事情(経済力や健康状態、職業や居住地などによる制約、子どもの年齢などによって、親権者が現実的に子どもの監護教育をすることが難しい場合)によって、親権から監護権のみを抜き取って行使者を定めることもできます。ただし、親権と監護権の分離は、子どもにとって不利益をもたらす可能性も高いため、調停や裁判でも認められるケースは稀であるとされます。

夫婦間の協議・調停・審判・裁判によって決まる親権

親権者をどちらかにするのかは、夫婦間での協議により決定しなければいけません。しかし、話し合いでは親権に関しての協議がまとまらないケースもあり、その場合は家庭裁判所に申し立てて、親権者の指定を求める調停を行います。

ここでも折り合いがつかなければ、裁判所の判断による親権者指定の審判手続きを行います。また、親権獲得が離婚の条件となっており、離婚の話し合いそのものがまとまらないような場合、離婚訴訟を提起し、離婚の成否と併せて親権がどちらにあるかを裁判所で争うこともあります。

前述の通り、子どもの親権を記載しなければ離婚届は受理されません。一方、監護権は離婚届に記載する必要はなく、戸籍にも記載されません。しかし後々のトラブルを回避するために、監護権を分離する際には離婚協議書に記載しておくことがベターであると考えられます。

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