コラム

 公開日: 2016-10-08 

木造ベランダにFRP防水工法は適切か!? 相性と問題点

日本で主流の木材住宅には、木材の膨張収縮や地震時の揺れによって「家が動く」という特徴があります。

一部の施工業者は、硬いFRP(繊維強化プラスチック)では、長期にわたる住宅木部の膨張収縮や揺れに追随できず、ベランダには適していないと指摘します。

木造住宅で起こるFRPとの相性の問題は、実際は施工不良が原因によるものが多いかもしれません。仕様どおりに施工すればFRPは有効な工法で、そのため広く普及しています。

木造住宅の特徴と素材の性質

新築の戸建て住宅は、使用建材で見ると、8割以上が木造、残る2割近くが鉄筋コンクリなどの非木造となっています。

木造の中でも、いわゆる在来工法の採用が圧倒的に多く、ツーバイフォーや木質プレハブは低い採用率にとどまっています。

日本人にとって一番人気の在来工法は、昔ながらの日本の建築法で、木造軸組工法とも呼ばれます。
もちろん、時代の流れと技術の進歩にともない、在来工法の中身も変わってきています。

合板や土台に使うコンクリートや接合部の金具など、昔はなかった素材が加わり、最近では工場でプレカットされた建材を使う合理化も進んでいます。

在来工法がどのような変化をしたのであれ、古くから続いてきた工法が生む、木だけが持つ質感やぬくもりを日本人は愛してきました。

木造住宅のメインとなる建材は木です。これは、他の建材にはない独特の特徴「調湿機能」を持っています。この機能は、室内の湿度が高いときは、空気中の余分な湿気を木材が吸収し、逆に室内の湿度が低くなると、木材が保持していた湿気を放出するというものです。

このおかげで、一年を通じて室内の湿度が一定に保たれて、快適さに貢献するというものです。

しかし、調湿機能には別の側面があり、湿度を吸収するときは木材がふくらみ、放出するときは収縮するという、膨張収縮とよばれる現象が起こることです。

要するに、家屋はわずかながら伸びたり縮んだりしています。さらに木造住宅は、地震が起きると家の構造を揺らすことで致命的な揺れを逃がすつくりになっているため、家自体は結構「動く」ものなのです。

FRP防水工法と木造住宅は相性が悪い?

FRP(繊維強化プラスチック)は、強靭な耐候性、耐久性、耐腐食性から、さまざまな建材に使われており、それを防水に応用したのがFRP防水工法です。

この工法が、本格的に木造住宅のベランダに使われ始めてからまだ十数年と歴史が浅いせいでしょうか、「木造住宅にFRP防水は不適格なのではないか?」という声が一部の施工業者から上がっているようです。

その理由として、FRPは硬い素材であるため、長期にわたる住宅の木部の膨張収縮や躯体の揺れに伴う「住宅の動き」に追随できず、亀裂が生じやすいという指摘がなされているようです。

亀裂が入ると、そこから雨水が入り込んで、雨漏りの原因となるので、このことが本当であれば見過ごせません。そのため、木造住宅のベランダには、FRP以外の工法を強くすすめる施工会社もあるようです。

FRP防水工法と木造住宅にまつわる問題は施工不良?

実際の話、FRP防水工法がベランダに導入されて間もないころは、「住宅の動き」に追随できず、亀裂を生じた例が結構あったようです。

ただ、これは新工法の施工に不慣れな業者による施工不良も多かったのではないでしょうか(ちなみに、今でも施工不良が原因のトラブルは後を絶ちません)。

いずれにせよ、FPR防水に関するクレームの中で最も多かったのは亀裂と言われています。
今はと言いますと、建築学会で下地の動きに対応できる仕様が定められたり、下地の動きを緩衝する素材も開発されています。

FRP防水材工業会発行の「FRP防水の手引き」には、「(防水用ポリエステル樹脂は)一般の成型用ポリエステル樹脂に比べ、伸び率が大きい軟質タイプになっており、下地追従性等に優れた性質を持っています」との一文が見えます。

これらは、木造住宅へどんどん採用が進むFRP工法の主流化を受けてのことです。

もしも、FRP防水工法と木造住宅の相性がとても悪いのであれば、これほど普及していないかと思います。

他方で、下地が木質系の場合は、下地がたわむとか、横ずれすることによって、防水層が割れることがあります。

これを防ぐため、下地材には基準が定められています。

基準にそぐわない下地に無理やりFRP防水を施すと、亀裂のようなトラブルは起きるかと思います。

ただ、それはFRP防水自体の問題でなく、施工不良の一例と言えるでしょう。

FRP防水の施工不良は、推奨されていない1プライ(ガラスシート1層)で施工したとか、下地の含水率が高いまま施工したとか、樹脂内の気泡をつぶさずにシートを敷くなど、いろいろ問題が報告されており、そのいくつかが、木造住宅の木質建材の問題へとすり替えられた可能性は否定できません。

施工不良は、担当した業者の問題ですが、新築住宅引き渡しから10年の間に発見すれば、その施工業者(工務店)に、無料補修を義務づける瑕疵保証制度を利用できると思います。

ただ、それでもどうしても気になる場合、ウレタン防水など他の工法を取り入れると、余計な心配が残らないので、よいかもしれませんね。

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