堀籠芳明

ほりごめよしあき

完全オーダーメイド指導 宮本塾

[ 船橋市 ]

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コラム

 公開日: 2017-06-26  最終更新日: 2017-06-27

RPG勉強法




私は「ドラゴンクエストV―天空の花嫁―」というゲームが大好きです。幼少期から主人公のストーリーが始まり、逞しい父親と一緒に旅をします。あとでわかることですが、その旅は魔王に囚われた彼の母親を救い出すための旅でした。その中で彼は最愛の父親を怪物の手によって殺されます。そして十数年の間、奴隷に…。なんとか脱出をした彼は亡き父の意志を受け継いで冒険をします。仲間も加わっていきます。その冒険の中で彼は一人の女性に恋をし、結婚をします。これもあとでわかることですが、その結婚した女性は天空人の血をひいていました。まさに「天空の花嫁」です。しかも実は亡き父は一国の王であったことがわかり、自らも王家の血をひいたことがわかります。その二人の間に生まれた子こそ「伝説の勇者」でした。その後、夫婦共々石にされてしまったり、母親と再会できたものの父と同じように殺されてしまうなどと苦節ありましたが、主人公の彼は息子らとともに力を合わせ、魔王を倒し、世界の平和を取り戻したのです…。
非常に簡単にこのゲームのストーリーをまとめるとこのようになります。このゲームを愛する人にとっては「こんなもんじゃない!」と怒られそうですし、まだこれをやってない人にとってはネタバレになってしまい申し訳なく思います。
急に何を語り出すのかと思われたかもしれません。私はスクエアエニックスの人間ではありませんので、このゲームを宣伝したいわけではありません。もちろんこのゲームを人生の縮図だとさえ考える私からすれば、現代の子どもたちには絶対にやってほしいゲームであることは確かですが、このゲームの素晴らしさと深さについて語るのはまたの機会に譲り、今回は「主人公」という概念に着目して、学習についてお話していきたいと思います。


主人公の成長=自分の成長






RPGをやったことのある方にお聞きします。そのゲームをやるとき、自分自身がそのゲームの主人公になっているような感覚になったことはありませんか?その経験のある方は多いのではないでしょうか。意識したことはないという方も考えてみてください。まさか自分を村人や宿屋の亭主に投影しませんよね?度合いは個人差あると思いますが、だれもが自らをゲームの中の主人公に重ねているはずです。というより自分を主人公に重ねてプレーすることこそがRPGの醍醐味なのです。R(Role)P(Playing)G(Game)を「役割演技」や「疑似体験」と日本語に訳されることからも明確でしょう。
ところで、人にとって最大の喜びとは何か、と考えたとき、私は「成長」ではないかと思います。喜びを生み出す要素はそれこそ多種多様で、各々異なるでしょう。しかし成長することによって喜ばない人はまずいないのではないでしょうか。RPGの最大の特徴はこの成長です。ゲームの中の主人公が成長しないRPGは見たことも聞いたこともありません。どんなRPGも必ず何かしらの成長が伴います。しかもその成長する主人公が自分自身と重ねさせ、あたかも自らが成長しているかのような錯覚を誘発するのがRPGです。だからRPGはおもしろいのです。では、この主人公の成長という点が学習の場面でどのように活かされてくるのでしょうか。


あなたの人生の主人公はあなた



RPGというゲームの中の世界でなくても、実は皆さんのだれもが“自分の人生の主人公”であるという意識を持っていますか?喜ぶときも怒るときも哀しむときも楽しむときもそれはすべて自分自身です。それらをするとき、だれかを基準としてなされるわけではないはずです。だれもが自分の意見を持ち、世界観を持っています。別の言い方をすれば、人は自分の視野でしか本当の意味で物事を見ることはできないとも言えます。。RPGで村人や宿屋の亭主の過去やそれによる思想や価値観を推し量ることができないのを考えればイメージしやすいのではないでしょうか。(ゲームの中では推し量ろうとすらしないのではないでしょうか…)裏を返せば“自己中心的”と否定的な言葉で表現されるかもしれませんが、自己中心的のなにがいけないのでしょうか。それぞれがそれぞれの人生の主人公です。主人公を中心に考えない世界はどこにもないはずです。
自分を自分の人生の主人公だと強く意識してください。そしてその主人公を成長させる“ストーリー”を思い描くのです。RPGのように。これができれば人生においてこの上ない喜びとなるはずです。
勉強の話で言いますと、仮にあなたが偏差値30だったとしましょう。しかしどうでしょう。このままずっと偏差値30のまま終わってしまう主人公を想定することはできるでしょうか?もしくはそんな主人公のゲームを面白いと思うでしょうか?絶対にそんなことはないと思います。
演習を繰り返しながら経験値を積み、レベルを上げ、公式という呪文を覚え、得意教科という武器を手に入れ、切磋琢磨する仲間と出会い、定期テストや英検という中ボスを倒し、やがて受験という魔王を倒す。これこそが主人公のあるべき姿なのではないでしょうか。
結果の話だけをしているわけではありません。現状から自らが主人公として成長しようとする意志が大切なのです。仮に偏差値30のまま上がらなくても主人公として精一杯頑張ったのであればそれでいいのです。頑張れる人間になったこと自体、それが主人公としての成長に他なりませんから。
このように自分を主人公としたストーリーを思い描くことが勉強のみならず、人生を歩んで行くうえで非常に大切なことだと私は考えます。しかし、今の子どもたちにはこの意識がとても希薄であるように感じます。


アプリとSNSの思わぬ落とし穴



要因としてはまず、RPGをやる子ども自体が少なくなったからではないかと考えます。ゲームをやる子どもたちは私たちの頃と比べても多いように感じるのですが、そのゲームの内容は一過性のものが大多数のような気がします。具体的なゲーム名を書くのは控えますが、勝った負けたのレベルで終わってしまうようなゲームです。これはスマートフォンのアプリの普及に伴うものだと考えられます。面白いのはわかるのですが、これらのゲームにはストーリーが欠けています。ストーリーがないと成長もありません。キャラが強くなっただけでは完結しないRPGの要素が今の子どもたちには欠けています。成長ということに慣れさせるためにはストーリーを持つRPGが不可欠になるのです。
もう一つの要因としては、自分の人生なのに、自分を主人公だとは考えず、自分以外の人間を主人公だと錯覚しやすい環境に今の子どもたちはいるということです。だれを主人公だと考えているかというと、有名人やアーティスト、アスリートなどです。私たちが子どもの頃はこれらの人たちとはテレビを通してしか触れることはできなかったので、別世界の人間だという意識があったため、自らの人生にそこまで密接に関係してこなかったのですが、現代はSNSの普及により、憧れとする人々との距離が格段に近付きました。これは良い面ももちろんあるのですが、あまりにも“すごい人たち”が身近にいるため、例えば「この人はすごいなー。この人と比べて自分は…。適わないなー。自分はこんなもんでいいだろ」というように自らの生き方に影響を与えやすくなってしまっているのです。そしてそのすごい人たちと自らとの比較により、あたかも自分ではなく、その人たちを自分の人生においての主人公と錯覚し、自らは“サブ”として、半ば諦めの気持ちが今の子どもたちの根底にあるように感じられます。これが勉強にも影響し、「自分は別に大した人間じゃないし、そこまで頑張る必要もない。このくらいでいいだろう」という姿勢につながってきてしまっているのではないでしょうか。多くの子どもたちに見られる現代病として“がむしゃらにやらない”ということが指摘されています。それもこれらが関係しているのではないかと私は思うのです。

「自分を人生の主人公と考え、その主人公を成長させていくこと」。
これを忘れてしまうとそれはあなた自身の人生ではなくなってしまいます。勉強において、自分が点数アップや志望校合格というストーリーを完結させようとすることは学習する者にとって不可欠なモチベーションであるということをこのコラムの主眼としていましたが、それだけにとどまらず、その後の長い人生を楽しく、自分らしく生きていくために皆さんには“主人公”という概念を見失わないでもらいたいと願っています。
その対処法として、とりあえず第一歩としてドラクエVをやってみる、子どもにやらせてみるのも良いのではないでしょうか。


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