コラム

 公開日: 2016-05-07  最終更新日: 2016-05-09

不登校の要因

再登校、その後

4月から再登校を始めた 健君、4月以降セラピーを2回しました。
1回目は4月中旬でした。

「学校、どう?」
という私の問いに
「疲れる。」
と。

「そうだよね、4ヶ月位学校へ行ってなかったのに 毎日行ってるんだものね。どの辺が疲れる?」
「ここ。」
と胸に手のひらを当てました。

「そう、10がすごく疲れる、0が全然疲れないとすると どれくらい?」
「7位。」

「じゃあ、それを考えていてね。」
と ブレインスポッティングをしました。

時間の経過と共に、数値が7から5、3、0へと変化していきました。

セラピー、終了後、別室で待っておられたお母さんが
「スッキリした顔になったね、元気になった。」
と健君を見ておっしゃいました。

「また来る。」
と健君の言葉に2週間後に約束をしました。

再登校後 2回目

再登校して1ヶ月が過ぎました。
起床、宿題をすること、家でも問題なく過ごしているように見られるとお母さんの言葉でした。
また、4月末の家庭訪問では 担任の先生から
「何の問題もありません。クラスが彼にとても助けられています。」
との言葉があったそうです。

健君に尋ねると
「学校では ボーッとしているときがある。0~10で言うと5位。」
お母さんは
「何の問題も無いって 担任の先生もおっしゃっているし お母さんもそう思っていたけど そうなんだね。」

そこでボーッとしていることについてブレインスポッティングをしました。
ブレインスポッティングは これだけの情報でセラピーが可能です。
ただ、ご本人がセラピーを受けたいという意志を持っておられることが重要です。

健君の場合、セラピーを勧められたお母さんとの関係が
「安全、安心できるものであること」
も大きな要因です。

保護者の方がお子さんにセラピーを受けさせたいと思われる場合、
「勇気づけ実践セミナー」を受けて頂いている理由のひとつです。

今後のセラピーについては 登校できるようになった為
「処理したいことがあったら早めにお母さんに伝えてね。」
と終了にしました。

不登校問題の未然防止と登校支援の方法

東京学芸大学の 小林 正幸先生が2015年8月に 日本カウンセリング学会の研修会で行われた研修プログラムの概要です。
「不登校の問題は、学校不適応、すなわち、子どもが学校に合わないことで生じます。不登校のきっかけとなることが、不登校が生じる要因(発生要因)です。その要因の多くは、学校でおきていることです。
発生要因にアプローチできれば、不登校は未然に防止できます。
初期対応でも、発生要因へのアプローチが大原則です。
このことは学校関係者ができることがあります。否、それどころか、学校関係者にしかできないことの方が多いのです。
学校関係者は どのような意識を高めて、どのような組織を作り、どのように不登校を防いだらよいでしょうか?
一方、不登校が本格化すると、問題を深刻化させる要因(維持・悪化要因)が生じます。深刻化させないために 何をしたらいいのでしょうか?
また、再登校に時に向かわせる時に どう働きかけたらよいのでしょうか?
・・・以下略」

健君の不登校のきっかけと再登校

小林先生の言葉にあるように 健君の不登校の要因も学校でした。
問題を深刻化させるものの1つに 学校からの連絡があります。
「連れて来てください。登校させて下さい。」
です。
多くの場合、保護者は「学校へは行くもの」として無理やり子どもを学校に連れて行きます。
ここで 子どもは
「家庭は安全でない、安心できない。」
という気持ちを持ちます。

健君の場合は ご両親が
「行くか行かないか、自分で決めて良いんだよ。」
と選択を健君に委ねられました。学校にもそのように伝えられました。
健君には
「自分の人生を自分でコントロールして良いんだ。」
という意識が育っていったと思います。

ご両親が
「信じて 任せて 勇気づける」
を続けておられます。
健君が 大きな困難を乗り越えつつあるように思います。

健君のセラピーを通して

小3の時に 担任の先生に叱責された場面は記憶がはっきりとありました。
その記憶に対してはEMDRセラピーを行いました。
それ以外の感覚的な不快感は ブレインスポッティングを行いました。

小3の時の健君の担任の先生は真面目な方だったのでしょう。
いじめ対策を学校の立場に立って実践されていたのだと思います。
「いじめの場面、あるいはいじめと思われる場面を見たら 帰りの会で報告しなければいけない。報告しなかったら見た人もいじめたのと同じことになる。」

健君達がふざけているのを見たクラスの子がそのことを報告し、先生がそれをいじめにつながるものだととらえた為に健君は叱責を受けることになりました。

健君はその後は目立たないように、叱られないようにしていたそうです。
いろいろなことが重なって小4の11月末から行き渋り、不登校になりました。

先生が「勇気づけの対応」を知って実践して下さっていたらと思います。
学校現場で「勇気づけの対応」の実践を広める手立てがあると良いのですが・・・。

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