コラム

 公開日: 2015-03-29 

法的な切り捨て債権が貸倒損に出来ない?!   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

先般、関与先とともに東京国税局の統括主査と面談する機会がありましたので、紹介致します。

面談のテーマは、会社更生法に基づき切り捨てられた事業年度に貸倒損として損金計上しなかった場合の取り扱いについてであり、概要は下記の通りです。

経緯

某地方裁判所は該当社に係わる会社更生計画について認可決定をし、これに伴い、当社が有する債権の取り扱いは、債権額の9%に相当する金額はは、14年間に亘る分割払いとするが、残余の債権は切り捨てるとされました。分割払い分は、現時点まで計画通りに回収されている。

本来であれば、この認可決定のあった事業年度の申告において切り捨て債権の全額を貸倒損とすべきであったが、何らかの手違いで、残余の債権は法人税施行令第96条第1項第1号イ該当として貸倒引当金にて損金算入をして来た。

問題点

法人税法施行令第96条第1項第1号イ該当であっても、全額損金が認められる限り、課税所得は同じであるところ、税制改正により、貸倒引当金の損金算入制度が廃止され、残余債権は税務上の損金とならなくなり、基本通達9-6-1においては、切り捨てられた日の属する事業年度における損金算入を要請しており、更正の請求で対応すべきとの議論があるが、遺憾ながら、その更正の請求期限は徒過している。

然しながら、この通達が、そのタイミングを逸した場合、損金を認めないとの意図であれば、更正の請求の期限を徒過した場合、法的に損が確定した債権について、永久に損金算入が出来なくなり、課税の公平を旨とする税法の趣旨に反すす。

論点

基本通達9-6-1は、切り捨てとなった日の属する事業年度前には損金算入してはならないとの趣旨であり、何らかの事情により、貸倒損のタイミングを逸した場合、その計上を妨げるものではないとの解釈は出来ないものか?

基本通達は税務当局の内部規範であり、納税者を縛るものではありませんが、小一時間の議論を経ても、正式回答としては「認可決定があった事業年度において損金算入する以外に損金算入を認めるとは言えない」とのことでした。お役人である限り、通達を超えての判断は出来ないのjは致し方ないことであり、ここは限界と感じました。

然しながら、飽くまでも個人的な見解としながら、「税務調査の担当官から、”損金のタイミングを逸しており否認したいがどうか”と相談を受けた場合、法的に債権が存在しないものを債権有りとして否認は出来ない」」と答えると思うとのコメントがあり、損金算入に踏み切るか否かは、関与先の経営判断に委ねることと致しました。

コストと手間暇が掛かり、現実的には難しいのですが、裁判で戦えば必ず勝てる事案と確信しています。


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